変形性股関節症

光線研究 第467号
『変形性股関節症』
股関節における変形性関節症です。先天性股関節脱臼の治療を受けた人におこることもあるが、股関節に軽度の障害が生まれつきあった人に発症し易い傾向にあります。
子供の頃や成年期に普通の人と同じように歩いたり、運動しても特に異常を感じないが、40歳頃になると股関節の調子が悪いのに気がつきます。
40歳代後半になると常に痛みが起こり、跛行するようになって来ます。
「疼痛」は股関節だけでなく、臀部、大腿部、膝上部の痛みが発症してくることもあります。
疼痛は初期では短い期間にみられ、すぐに治ってしまうが、進行期では動きはじめるときに痛みが強く、動いていると軽くなることが多い。
長く歩いていると痛みが再びおこり跛行するようになります。
末期になればたびたび休まないと歩けなくなります。また、杖を使用するようになってきます。
安静にしているときには痛みはありません。
一般的に疼痛はだんだん強まって来るにつれて股関節の運動制限も強まって来ます。
初期には制限はあまりないが、外転制限がおこって来ます。開脚が困難になってきます。
日常生活では靴下をはいたりするのが難しくなったり、和式の洗面所でしゃがむのが困難になってきます。
跛行の原因は疼痛と下肢の長さが違ってくることにあります。脚の長さは亜脱臼や頸部短縮などにより数㎝以上の違いになり、歩行時に上下方向に動揺するようになってきます。
痛みは運動時痛であり、跛行に対しても杖を使用した方がよい。また体重も股関節に対して負担がかかり悪化させることになるので、増加しないようにすべきであります。
筋力の増強も重要であり、この訓練も必要であります。症状によっては手術が必要となります。
【光線治療】
■治療用カーボン
3001-4008番、3002-4008番。(4008番の代わりに1000番も使用します)
■照射部位
両足裏部、両膝部、腰部、左右下腹部(1号集光器使用)、左右臀部(1号集光器使用)。
■照射時間
各5~10分間。患側は下腹部及び臀部の照射時間を10~15分間とやや長めに照射します。
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