食道静脈瘤の可視総合光線療法①

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光線研究 第508号
食道静脈瘤と門脈圧亢進症
食道静脈瘤とは、食道粘膜下の静脈がこぶ状にふくれてくる病気です。
肝臓に肝硬変、肝線維症、原発性肝細胞ガンなどの肝臓病があると肝臓が受け入れられる血液量が少なくなり、門脈(胃、腸、膵臓、胆のう、脾臓からの血液を集めて肝臓に送る静脈)の血液が肝臓を通り心臓に戻ることが困難になります。
血液がうっ滞して門脈圧が異常に高くなる状態を門脈圧亢進症と呼びます。
そして、この血液が食道や胃上部の静脈に流れるようになると、もともと細いこの部分の血管がこぶ状にふくらんできます。
食道静脈瘤はこのようにして発症しますが、食道静脈へ流れる血液が多くなると、食道粘膜下静脈が蛇行することもあります。
膨らんだり傷んだりした静脈が、硬い食物を食べたり、いきんだり、咳をするなどの刺激で破れて大出血を起こし、出血性ショックで死亡することもあります。
食道静脈瘤自体は、はっきりした症状がなく出血によって見つかることが少なくありません。
むしろ脾臓が腫れたり、腹水が溜まったり、貧血を合併したりする肝硬変の症状に注意することが大切です。
◆肝硬変と食道静脈瘤
門脈圧亢進症の原因として一番多くみられるのが、慢性肝臓病の終末像ともいわれる肝硬変です。
肝細胞は再生力が強いのですが、肝細胞の壊死と再生を繰り返していると、肝臓の肝小葉が異常な型に改装されます。
このような変化が肝臓全体に起こったのが肝硬変で、肝臓は硬くなり、ボコボコした隆起ができてきます。
肝硬変患者は本邦では23万人(平成13年)いるといわれています。
自覚症状がないので多くは知らない間に病気が進行します。
病気が進むにつれて黄疸、むくみ、腹水、出血傾向、食道静脈瘤からの出血などがみられます。
◆治療方法
食道静脈瘤が腫れて出血しないようにする事が第一ですが、出血したときは直ちに病院に行き外科的な治療を行います。
一度も出血したことがない食道静脈瘤に対しては、内視鏡による予防的な治療法や外科的な治療法がありますが、未だにはっきりした治療法が定まっているわけではありません。
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