切り傷、火傷、外傷、床ずれ、手術痕の傷に可視総合光線療法②

pic201500417_001.jpg
光線研究 第508号
◆創傷部の組織再生
血行が改善すると、患部から炎症物質や老廃物が除去されやすくなり、さらに患部に生じた異物や細菌を処理する顆粒球・リンパ球・大食細胞を患部に豊富に運ぶことができるようになります。
これらの各細胞の働きによって患部組織の再生が準備できる状況になります。
組織再生には可視総合光線療法の可視線、とくに赤色光が重要な作用を持っています。
この波長の光線には、創傷治癒に必要な肉芽形成を担当する線維芽細胞の分化(増殖)を促す作用があり、さらに角化細胞にも作用してその分化を促します。
これらの細胞の働きによって、創傷部をきれいな状態にもどるよう治癒を速めることになります。
◆創傷部の殺菌・感染予防
一方、創傷部の感染は、治癒を遅らせたり、血色の悪い肉芽形成に関連する重要な因子になります。
可視総合光線療法に僅かに含まれる紫外線には殺菌作用があり、創傷部の殺菌や感染予防に有用で、この作用も創傷治癒の促進に寄与することになります。
◆全身状態の改善
創傷治癒の過程には、全身状態も大きな影響を与えます。
可視総合光線療法の創傷治癒の有益な作用を有効活用するためには、全身状態の改善も重要な対策となります。
「傷は夜治る」と言われるように、上皮の再生、線維芽細胞の増殖が活発になるのは夜間です。
その作用は、日中の数倍になると言われ、夜間の睡眠はたいへん重要です。
食事・睡眠が不規則、働き過ぎ、糖尿病のコントロールが悪い、栄養状態(蛋白質不足)が悪い、心の悩みなどのストレスは治癒を遅らせることになります。
また、鎮痛剤の服用・鎮痛剤の湿布などの長期連用も同様に治癒を遅らせます。
■光線治療
治療用カーボン:3001-5000番、3001-4008番、3001-3002番、4001-4008番、1000-3001番、1000-4001番など。
■光線照射部位
全身照射として、両足裏部・両膝部を各10分間、腹部・腰部を各5分間、後頭部を5分間。
患部照射は、1号または2号集光器を使用して各10~20分間。
手術を受けた場合は、手術による創傷部への照射を追加。
糖尿病、自己免疫病などの基礎疾患がある場合は、それに対する光線治療を行った上で、患部に前記した治療用カーボンを用いて光線照射を行います。
PAGE TOP