ホジキンリンパ腫の放射線治療後の光線ケア

光線研究 第589号
■ホジキンリンパ腫
日本では少なく悪性リンパ腫のうちの約10%です。
ホジキンリンパ腫は非ホジキンリンパ腫に比べ、治癒する可能性の高い(約65~80%)病気です。
ホジキンリンパ腫は、さらに古典的ホジキンリンパ腫、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫に分けられます。
ホジキンリンパ腫の治療は病型、病期と全身の状態を考慮して決められます。
治療は限局型のⅠ、Ⅱ期では放射線治療単独あるいは放射線治療と化学療法を併用します。
65歳 女性 ホジキンリンパ腫
◆症状の経過
子供の頃から風邪を引きやすく鼻づまり、後鼻漏、咳が出ることが多かった。
20歳時、副鼻腔炎の手術。口呼吸の癖があり、その後も咳、痰がよく出ていた。
60歳時、咳、痰が多くなり検査で気管支拡張症と診断された。
光線治療器を持っていたので、咳の光線治療のため光線研究所附属診療所を受診した。
◆光線治療
治療用カーボン3000-5000番、1000-5000番を使用し、両足裏部・両膝部を各10分間、両足首部・腹部・腰部・後頭部(1号集光器)を各5分間、頸部リンパ節の右側5分間、左側10~20分間、左腋窩部20分間追加照射。
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◆治療の経過
毎日自宅治療し1カ月後、咳は少なくなったが、足の冷え、鼻づまりは続いた。
この時左頚部リンパ節の腫脹に気づいたが、咳が続いていたのでリンパ節腫脹の精密検査は延期となった。
5カ月後、咳が落ち着きリンパ節の生検を受けた。
ホジキンリンパ腫Ⅰ期と診断、放射線治療を受けた。
光線治療は1000-5000番に変更。
放射線治療でホジキンリンパ腫は改善、光線治療を併用していたため放射線治療の副作用は少なかった。
1年後、咳は少なく、放射線治療による嚥下障害は光線治療で改善し声もよく出るようになった。
治療2年後、左腋窩リンパ節の腫れがあったので左腋窩部への光線照射も追加し消失した。
治療5年後の現在、リンパ腫の再発はなく元気である。
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