光線研究 第446号(転載許可済)
疲労は一般的に生理的疲労と精神的疲労に分けることができますが、厳密な区別は難しいといえます。
例えば満員電車で1時間以上の通勤をするエネルギー消費量としての生理的な疲労度は、主婦が15分程度の買物に費やすエネルギーと同じです。
満員電車での心理的苦痛が疲労度を高めるといえるでしょう。
現代では、精神的な要素から受ける疲労がつよく、肉体的にはむしろ運動不足が指摘されています。
しかし、精神的疲労の症状は、体のだるさ、筋肉のこりや痛み、頭重、しわがれ声、口の渇き、目のしょぼしょぼ感、耳鳴り、動悸、無力感、記憶力・集中力の低下など器官や組織の機能低下としてあらわれるので、肉体的疲労と同じように感じられます。
この症状のなかで頭重、感覚器の障害、無気力を強く感じるというのが精神的疲労の特徴です。
肉体的疲労と精神的疲労では、回復させる方法が違うといえます。
肉体的疲労は体を休めたり熟睡することで案外容易に解消できますが、精神的疲労は単に体を休めることだけでは解消しにくく、逆に不眠に陥り、疲労感が強まることもあります。
肉体的疲労は運動や休養を繰り返しで、次第に体力や抵抗力がつき適応性が増すのに対し、精神的疲労は習慣化して気づいたときには慢性疲労状態になっていることが多いといえます。
肉体的疲労、精神的疲労どちらの疲労も結果的には体が緊張し血行が悪くなり、体が冷えるようになります。
慢性疲労状態では冷えもさらに強くなります。
冷えは疲労症状をますます悪くさせたり、回復を遅らせる悪循環形成の大きな要因となります。
したがって、疲労を感じたら、1日ごとに清算し、悪い習慣がもたらす恒常的な疲れを起こす前にそれらを断ち切るような休養・運動・睡眠・栄養摂取・気分転換・光線療法を暮しの中に組み入れ、実行することが必要です。
これらの実行項目はいずれも血行を良くし疲労の軽減や解消につながります。
ときには1日で清算できない過度の疲労もありますが、早く回復させることが大切です。
疲労予防の光線療法は治療用カーボン3000-5000番または5002-5002番を使い、両足裏部・両膝部を各5~10分間の照射を行います。