非結核性肺抗酸菌症の光線療法

光線研究 第594号 (転載許可済)
非結核性肺抗酸菌症(日本呼吸器学会より)
非結核性肺抗酸菌症は結核菌以外の抗酸菌による感染症で、肺に感染を起こします。
本邦では抗酸菌の8割以上がマック菌(肺MAC症)です。
理由は不明で中高年の女性に多い傾向があります。
この菌は土や水などの自然環境中に存在し、結核菌とは異なり人から人には感染しません。
多くは数年から10年以上かけて、ゆっくりと進行します。
初期では無症状のことが多く、進行に伴い呼吸器の症状(咳、痰、血痰、息切れなど)や全身症状(発熱、体重減少)などが出現します。
肺MAC症と診断されて、症状や肺の影が悪化する場合には治療を行います。
3剤の抗結核薬を少なくとも1年半ほど(菌が培養されなくなってから1年間)服用する必要があります。
治療期間は長く、薬が効きにくいこともあるため、高齢者などでは対症療法のみの場合もあります。
菌が完全に消えることは稀で、治療終了後も定期的に画像検査を行う必要があります。
再発すれば治療を再開します。
●光線療法における非結核性肺抗酸菌症の治療例
55歳 女性
若い頃から鼻炎、副鼻腔炎があり43歳より光線治療(3000-5000番使用)を始めた。
48歳時、咳、痰が増え非結核性肺抗酸菌症(肺MAC症)と診断され経過観察。
5002-5002番で治療し現在、光線治療と漢方薬で咳、痰は少なく、肺のカゲは拡大せず安定している。
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65歳 女性
59歳時風邪の後、咳が続き検査で非結核性肺抗酸菌症と診断され経過をみていた。
64歳から服薬を始め、3000-5000番を使用して光線治療も続けた。
65歳の現在、抗酸菌は消失し肺のカゲはうすくなったが、緑膿菌が出ているので5002-5002番も使用して治療を続けている。
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