光線療法時の集光器使用について
光線研究 第548号
「光線治療を行うときの集光器使用について」 より効果的な治療のために
光線治療時に集光器を使用すると『温かさが減り気持ちの良さがなくなる、どこに光線が照射されているのかわからなくなる、集光器を使用するのは面倒だ』と言うような声を耳にすることがあります。
特に長年、光線治療を愛用している方に多いように思われます。
今回はより効果的な治療のために集光器が果たす役割について述べたいと思います。
光線治療は、光と熱の刺激を皮膚から直接吸収させることで、全身の血液循環を改善させて新陳代謝を活発にし、基礎体力の充実を図り、諸症状を改善していく治療法です。
そのためにはまず間接照射を行って、からだ全体の血液循環を改善していく必要があります。
このような場合には両足裏部・両足首部・両膝部・腰部など下半身を集光器を使用せずに大きく照射する方が一般的には効果的です。
ところが、上半身、特に後頭部や頭部を照射する時に時に集光器を使用せずに行うと頭重感やのぼせ感などを感じる場合があります。
これは一般的な湯あたりと同じような現象で、急に頭の温度があがってしまった場合に起こります。
このようなことが起こらないようにするのが、集光器の第一の役目です。
照射口の面積で比較すると、集光器を使用しない状態に対して1号集光器使用では約20%、2号集光器使用では約7%、3号集光器使用では約0.5%になります。
このように照射口を小さくすることで不要な部分の温度上昇を防ぎます。
第二の役目としては、痛みなどが出ている部位の症状軽減をより速やかに行うためです。
一般に痛みや腫れがある部位は患部を治癒させるために充血しています。
これを二次反応と言いますが、これは症状改善に必要なからだの反応です。
このような部位に集光器を使用せずに長時間照射すると、二次反応が急速に強く起こりやすくなり、痛みなどの症状が強くなる場合があります。
そのため、集光器を使用して光線量を減少させ二次反応がゆっくり起こるようにします。
時間をかけて患部に無理なく二次反応を持続させることで患部の修復を早め症状の速やかな回復を得ることが出来ます。
なお、患部の範囲により集光器は適宜使い分けて使用します。
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