光線が皮膚へ浸透する感覚

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光線研究 第438号
光線療法は光線を肌に直接照射して、気持ちよく感じることを大切にします。
そのためには自分に合った治療用カーボンの組合せを見つけて治療することが理想的ですが、実際に数十種の治療用カーボンをすべて組合せて治療してその感じを判断することは現実的に不可能です。
そこで実際の光線治療では、指導書の病名の下に記載してある治療用カーボンを使って治療することが基本となります。
これは光線研究所附属診療所が約90年の臨床・研究成績から得た結果を基にまとめたものですから、生活面に配慮しながら忠実に治療すれば多くの例では充分な効果が期待できるわけです。
しかし、なかには思うように効果が上がらない場合もあります。
その理由として病気・病状のちがい、冷え症などの余病の有無や日常生活面の問題(不摂生)、治療期間の不足などの患者側の要因と治療用カーボンの選択や光線照射が正しく行われていないなどの治療面の要因が考えられます。
したがって、効果が不十分な場合は治療用カーボンを変更してみることもその対策の一つです。
治療用カーボンを変更して効果が出る場合も少なくありません。
ところで光線治療をしている人の中には、光が肌に浸透する感じを体験される人がいます。
このような感覚は程度の差はあれ、だれでも光線治療中に感じているのですが、なかには光の皮膚浸透の感じをはっきり感じる人がいるようです。
光の皮膚浸透の感じはどの治療用カーボンでも感じるわけではなく、その人に合った波長を出す治療用カーボンの組合せを使った場合にみられます。
このような例では光線治療の治療効果は大変良好のようです。
たとえば、
◎36才、女性の関節リウマチの例では、3000-5000番が3001-4008番より皮膚に浸透し気持ちよく感じる。
◎60才、女性の高血圧症の例では、3001-4008番が3002-5000番より皮膚に浸透し気持ちよく、3001-4008番に変更してから背中痛はよくなった。
◎60才、女性の腰痛の例では、3002-3002番が3001-4008番より皮膚に浸透し気持ちよく感じ、腰痛の治りが早い。
◎55才、男性の脳梗塞後遺症の例では、3002-5000番が3001-4008番より光線が軟らかく感じる。
◎65才、女性の膝痛の例では、3002-5000番より3001-4008番で足裏に照射したとき、からだの各部位に光線が浸透する感じがある。
以上のような例から推測すると光線の皮膚浸透の感覚は、痛みや冷え症がある場合にとくにはっきりみられるようです。
このような病態においては、光線の光や熱に対して生体は大変敏感になって、より必要な波長を得るためにそのような反応を示している可能性が考えられます。
たとえば膝痛の治療では一般的に、急性の場合は3001-4008番を、慢性の場合は3002-5000番をよく使いますが、このようなちがいはそのよい例ではないでしょうか。
なお光線療法では病名と違う治療用カーボンを間違って使用しても支障はなく間違いとはいえませんが、できるだけ自分の病状に合った治療用カーボンの組合せを使用したほうがより効果的です。
しかし浸透する感じを無理に捜す必要はなく、2~3の組合せの中で1番よい感じのものを使用すれば問題ありません。
どのような組合せがよいか不明の場合や今までの治療で効果が充分でない場合は、光線研究所附属診療所においで頂ければいくつかの治療用カーボンの組合せで実際に治療して、より良い組合せによる指導を致します。
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