①冬の肌トラブル(湿疹、ひび、あかぎれ、しもやけ等)
光線研究 第557号
冬の肌トラブルと可視総合光線療法
寒い季節になると、肌のトラブルが多くなってきます。
手や足に関する手荒れ(手湿疹)やひび、あかぎれ、しもやけといったものが多いようです。
人間の皮膚は三層構造になっており、一番外側の表皮は外部環境や刺激からからだを守り、その下の真皮といわれる部分には毛細血管・皮脂腺・汗腺等があり血行や新陳代謝を行い、真皮の下には皮下脂肪組織があります。
特に表皮細胞は何層にもわかれており、健康な表皮にはほどよく水分と脂質が含まれていて、表皮の細胞を潤していますが、冬の乾燥した空気で皮膚の水分が減ると、表皮細胞反り返ってはがれやすくなり、荒れた状態となります。
乾燥防止のために皮脂腺から皮脂が分泌されますが、寒い季節は皮脂が出にくくなります。
さらに分泌された皮脂が、洗濯の時や洗い物の時の洗剤やお湯などで流れ去ってしまします。
表皮が乾燥し傷ついてくると、赤くただれたり、かゆみが強くなり手荒れが生じます。
『ひび』は、その部分の皮膚が厚くなり、亀裂を起こした状態です。
『あかぎれ』は、より深い亀裂が生じ赤い部分が見えたり出血したりする状態です。
いずれも、肌トラブルの程度の違いで、悪化すると痛みや痒みを伴います。
『老人性乾皮症』は、高齢になると皮脂の分泌が少なくなり皮膚乾燥が広範囲にみられ手足だけでなく、下肢全体や背中全体が痒くなる症状です。
冬に多くなる傾向があります。
『しもやけ』は、冬の肌トラブルの代名詞ですが、寒さで手足の指などの末梢血管収縮により血行不良が長く続き、皮膚に十分な酸素や栄養分が行きわたらず、新陳代謝も不十分になり老廃物や二酸化炭素の蓄積で、かゆみや痛み、皮膚感覚の低下などを起こす症状です。
汗をかいたり、水仕事や雪遊び等の後、濡れたままの状態でいると、しもやけの引き金になります。
その水分が蒸発するとき皮膚の表面を冷やし、血行を悪くするからです。
ひび・あかぎれ・肌の弱い人や乾燥肌の人のほか、血行が悪く皮膚の正常な新陳代謝が行われにくい人に発症しやすい傾向があります。
また、急激な皮膚温の低下で起こる『寒冷じんま疹』もあります。
冷たい風に当たったところが赤くなり痒くなったり、入浴後の湯冷めで下肢を中心に症状が出たりします。
いずれも一度発症すると治りにくいので普段より予防することが重要になります。