高齢者の肺炎予防に可視総合光線療法を併用
光線研究 第443号
東大病院老人科における高齢者の疾患別頻度をみると、65歳以上で最も多いのは呼吸器疾患で、次いで消化器疾患、神経疾患、循環器疾患、内分泌・代謝疾患、腎・泌尿器疾患の順となっています。
このなかで加齢(75歳以上)と共に多くなる疾患は呼吸器疾患、神経疾患、循環器疾患などであり、高齢者では肺の悪い人が多いことがわかります。
したがって、高齢者では肺炎を予防することは重要な対策となります。
高齢者の肺炎予防には第一に寝たきりにならないような対策が重要となります。
そのためには栄養状態をよく保ち、日常生活の活動性を保つことが予防には最も重要と考えられます。
第二には光線療法によって肺炎のもとになる風邪にかかりにくいからだの状態を保つことです。
光線療法は血液循環を良好にして、いつもからだを温かい状態に保ち、免疫機能の強化及び心肺機能の改善によって感染に対する抵抗力を強めていきます。
これらの対策はもともと肺炎を起こしやすい肺気腫や慢性気管支炎などがある場合はとくに重要となります。
呼吸器疾患に対する光線療法の作用
全身的作用として抗病力の強化(食欲、睡眠、便通など)体温調節作用、心肺機能の改善、感染予防があり、局所的作用として去痰作用による気管支内の分泌物の排泄促進、抗炎症作用による気管支の炎症の鎮静化、呼吸筋の鎮痙作用による胸郭運動の円滑化などがあげられます。
このような全身的および局所的作用により、心肺機能が強化され呼吸器疾患の症状の改善をもたらすと考えられます。
治療用カーボン
健康保持や肺炎予防には3000-5000あるいは5002-5002番を使用します。
照射部位
全身的な治療として両足裏部・両膝部を各5~10分、腹部・腰部を各5分を行い、次に嚥下の働きと咽頭部の抵抗力を高めるために左右咽喉部を各5分を治療します。
さらに気管支が弱いときは肩甲骨間部を5~10分の治療を追加します。
すでに脳卒中後遺症や慢性気管支炎、肺気腫など何らかの病気で全身的な光線治療を続けている場合は、その治療を継続すればよいでしょう。
光線治療は全身的な治療であればどのような治療であれ、感染予防を期待することが可能です。