滑車神経麻痺、外転神経麻痺の可視総合光線療法
光線研究 第547号
外転神経麻痺
外転神経は12対ある脳神経の一つであり、第6脳神経と呼ばれています。
脳幹の端から出て外眼筋の一つである外側直筋を支配しています。
外側直筋が収縮すると眼球が外側をみるように動くので、この麻痺では外転ができなくなり、複視が出現します。
外転神経は頭蓋底を長く走るので障害を受けやすく、頭部外傷、脳動脈瘤、脳腫瘍、髄膜炎、糖尿病、脳動脈閉塞などの原因で麻痺が起こります。
滑車神経
滑車神経は12対ある脳神経の一つであり、第4脳神経とも呼ばれています。
中脳から出て外眼筋の一つである上斜筋の運動を支配します。
上斜筋は眼を外方向や下向きに動かす作用があるので、この麻痺では下内方が見ずらくなり階段を降りることが困難になります。
滑車神経麻痺が単独に起こることは少なく、多くは頭部外傷によります。
外眼筋麻痺の光線治療
治療用カーボンは3001-5000番、3001-4008番、3002-5000番、3002-4008番を使用し、両足裏部・両足首部・両膝部を各5~10分間、腹部・腰部・後頭部を各5分間を照射します。
眼部は1号集光器を使用して両眼部を5分間照射、または患眼のみ2号集光器を使用して5分間照射します。
眼部の照射が不快であれば、左右こめかみ部を各5分間を照射します。
脳障害が原因の場合は肝臓部を10分間の照射を追加する場合もあります。
外眼筋麻痺の原因となっている疾患、たとえば頭部外傷、糖尿病などがある場合は、その疾患に対する光線治療を基本に眼の治療を追加して行います。